大会長挨拶

 


日本VADコンソーシアム第4回研究集会
大会長 鈴木 利保
東海大学医学部医学科外科学系麻酔科 教授


この度、日本VADコンソーシアム第4回研究集会の会長を務めさせていただきます東海大学の鈴木利保です。本研究集会の会長を仰せつかりましたことを大変光栄なことと感じ、会員の皆様に心より感謝申し上げます。今回の研究集会は2019年1月19日(土)横浜市の横浜シンポジアにおきまして開催させていただきます。今回のメインテーマは「VADの安全対策」です。現在、医療現場において、多様な静脈アクセスデバイス(VAD: Vascular Access Device)が使用されており、多くの合併症が報告されています。これらの合併症対策については、各専門分野において議論されておりますが、本邦において統一された手技や管理方法、教育等は存在していないのが現状です。そんな中で聖路加国際大学大学院・周麻酔期看護学・教授の宮坂勝之先生のご発案で、VADコンソーシアムが立ち上がり、各専門分野のエキスパートにて、現状の問題を踏まえた上での最適な輸液治療を議論、共有し、多くの患者へより良い治療を提供すべく、本コンソーシアムが立ち上がりました。今回で4回目の研究集会になりますが、過去の研究会では、輸液管理の実践基準の紹介、緩和医療へのPICCの普及、カテーテル感染対策などについて、各職種間で有益な議論が展開されました。今回は、CVC、PICCの安全対策をテーマとし、東京医科大学病院病院長の三木保教授に特別講演をお願いしました。三木先生は私の小学校時代の同級生であり、2003年に同院で発生したCVC誤挿入による死亡事故時の対応経験をもとに医療安全対策推進の責任者として様々な安全対策を実践してこられた先駆者であり、その概要について解説していただく予定です。また他にも、VADの安全対策として静脈留置針による末梢神経損傷、CVCの安全対策を器材面から分析する講演を企画しております。更に国が推進する相互接続防止コネクタに係る国際規格の導入について最新の情報を提供する予定です。そして恒例になりました「感染」「栄養」、「看護」のセッションにつきましても最新の情報をお届けできるよう準備したいと思います。今回の新しい試みとして一般演題の中から最優秀演題を表彰することといたしましたので、たくさんの演題登録をお待ちしています。また日頃お世話になっている先生方、会員企業の皆様方と親睦を図る意味で同会場にて懇親会を予定しております。是非多数の参加をお待ちしています。最後に今研究会での、世代を超えた活発な討論が、明日の臨床の一助になりますことを祈念し、全国各地域からの御参加を心よりお待ちしています。

 

日本VADコンソーシアム(J-VADC)はガイドラインに基づいた輸液治療のあり方について提案します